ブックシェア制度:レポート

民事実務基礎

『教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには

009/(著)出口治明/KADOKAWA/
保管場所:社員保管(貸出不可

【なぜこの本を選んだか】

 著者は複数の著書を持ち、そのいくつかは拝読したが、スポコン系の前のめり感は一切無く、どっしりと構えた俯瞰さと穏やかな示唆に毎回学びがあった。またNPO法人一人一票実現国民会議の賛同者としても名を連ね、事実、インタビューなどでもこの問題についても言及している。その他、様々な社会問題のシーンでも、その存在感を放つ。1つの基軸として、非常に本質を大切にされている、追求されている、人生の先輩なのではないかと推測している。
 本書では、立命館アジア太平洋大学(APU)学長ならびに、ライフネット生命の経営者として経験から、著者自身が腹落ちした“「教えること」の本質”を伝えてくれるという。日々教えられることが人生そのものであるが、いうなれば、教えるという行為は、生涯にわたって実践するアクションであると、ある時気付きになった。社会でも家庭でも日常的にも、意識せずとも教える行為を重ねているわけで、そこを意識的に学んでいきたいと手に取った。

【本を通じて学んだこと】

『社会を生き抜くための7つの武器』という項目があり、政府や選挙、税金などお金、情報リテラシーが含まれるが、これらのどれもが、現在の日本の教育システムでは武器にするには弱い。結果、各個人の気づきや情報収集能力によるため、社会の中でどう関心につなげていくかが課題であるが、それらを「教える」ための解説が非常にわかりやすい。これらを自身の言葉で伝えることができるようになろうと思う。
また本書は[尖った人]を増やすというサブタイトルだが、高校を“変態コース”と“偏差値コース”にするというアイデアは最高である。尖る過程には、様々な関心ごとに見て触れて五感をフル活用し、圧倒的に心を持っていかれるものに集中することが、環境として必要であり、これは大人にも通じる。
 興味深い項目が、オンライン上で、一人は実際の教師が、もう一人は役者が演じた教師が、授業をおこなうというような話があり、結果的に役者とふれあった者の方が成果があったというもの。これは、パフォーマンス力の一例とみるが、やはり、このパフォーマンス力は“変態コース”でこそ培われるセンスだ。

【この本を読んで目標に対して自分はどう活かせるか】

本書では日本にはユニコーン企業が少なく、GAFAを生み出せないという弱みも鋭くついているのだが、そもそも起業しようとか、一人でチャレンジしてみようというマインドを持つ人口が少ない。「社会を生き抜く武器」はこのマインドにも通じていると実感している。与えられた環境を飛び出して、自分で考える力をもつことの意義が言語化されている。日常的に相談をされる機会が多いので、著者の言葉を借りて、尖った人口を増やす取り組みには多いに加担したい。

【この本のあらすじ】100文字程度 

「教える」というテーマを元に、社会変化に伴う、事業モデルの移行や男性の育児参加、年金問題等様々なイシューが登場します。巻末には「あきらめて頑張る」というフレーズが出てきます。多くの人は「あきらめて頑張っている」と思うのですが、これは決してネガティブな言葉ではなく、意図せずたどり着いた今への敬意のような素敵な言葉です。