ブックシェア制度:レポート

民事実務基礎

空気の研究

012/(著)山本七平/文春文庫/
保管場所:会社で保管

【なぜこの本を選んだか】

人事院の若手行政官への推薦図書の中の一つであり、興味を持った内容だった。伊藤塾で講座を販売するときに「口コミ」がよく挙げられているが、それは理由の一要因であり、なぜ検討者の意思決定にそこまで影響を与えるようなものなのかに疑問を感じたためである。この「口コミ」は「噂」となり「あたりまえの空気」となったとき人は意思決定を変えられるものなのか、「空気」を分析することでその形成の仕方と人に与える影響を考えてみたいと感じました。

【本を通じて学んだこと】

「空気」とは日本においてある意味絶対的な権力をもつ。また、論理的な判断基準よりも反論を許されないため、ある意味で「空気」の形成は強力な判断基準となる。空気の一方的支配の特徴として、①臨在感的把握が絶対化されることと、②対立概念の排除がある。今でこそ戦艦大和の出撃や公害行政を例として歴史の中で間違った判断であったと言われているが、この当時支配していた「空気」がそれを許さなかった。この「空気」が一度形成されてしまえば、人は自由な身動きが取れなくなってしまいます。それを踏まえた上で、今までは歴史的なモノの見方として事実を無機質に捉えることが多かったが、当時の状況も合わせながら過去の失敗の事例を見定めなければならないという点はとても参考になりました。

【この本を読んで目標に対して自分はどう活かせるか】

この本の目標としては「空気」を研究し、そこからの脱却を図るためのものであったのですが、「空気」により意思決定がなされた様々な事例こそが重要だと感じています。例えば大学内で「伊藤塾に通うのが当然」という「空気」を作ってしまえば、手段をほとんど労せずとも伊藤塾で司法試験を目指す人が足を運んでくれるようになります。本書ではこの感覚は偶像崇拝性的な概念に縛られているという特有の間隔を持つ日本人だからこそのものではあることも指摘されていましたが、まだまだ閉鎖的な環境である大学ではこのような感覚を形成しやすく、長期的な目標として組み込んでも良いのではないかと感じています。ただし、この本は非常に難しく、一度では理解できないことや、曖昧な結論になっているところも多いので、他の図書などを参考に目標の具体化をしていくべきだと思います。

【この本のあらすじ】100文字程度 

少し前に「忖度」という言葉が流行りました。日本においてこのような「空気を読む」ということは非常に重要なこととして挙げられますが、自分たちは何を持ってそのことを判断しているのでしょうか。私たちが感じている「空気」とは何なのかをこの本から見つけてみてください。