ブックシェア制度:レポート

ナリ検

044/(著)市川寛
保管場所:会社保管(貸出可)

【なぜこの本を選んだか】

検察官について基本的な業務は知っているものの、リアルにどのようなことを考えて組織としてどのように動いているかを知りたいと思い本書を手に取りました。法曹の説明をする上で、弁護士の仕事は多様にわたるもののイメージしやすいですが、検察官や裁判官は閉鎖された空間の中でどのように動いているのか外側からは分かりにくい面があります。本書はフィクション小説ですが、実状を知るための一要素となればと思い考えました。

【本を通じて学んだこと】

検察官はそもそも人数が少なく、とても狭い世界の中でどのような動きをしているのか、特に今回の内容は無罪判決が出た後の検察官の動きに着目して描かれたものでした。弁護士出身の主人公からすればおかしいと考えることも検察という組織の中ではたらく理があり、法曹として求められる崇高な目的とはかけ離れた実状があるのが印象的でした。有罪率99%と言われる検察組織の中で何が行われているのか、どのような考え方で進められているのか、内部の人間だからこそ考えるようなプレッシャーや組織としての在り方がそれぞれの感情から見えました。多くの市民は検察を信頼していると思いますが、その信頼の根拠が「検察は間違えない」ということだとしたら、全ての活動が正しく何一つ誤りはないことになります。人間の行うことである以上それはあり得ないにもかかわらず、それを行わなければいけない検察の役割を普段とは違った視点から見ることができました。

【この本を読んで目標に対して自分はどう活かせるか】

通常、法曹系の小説は弁護士が活躍して無罪を勝ち取ったり、逆転劇のようなものが彩られることが多いですが、本書はそのようなものではなく、淡々と無罪という判決に対しての検察内の動きや人間模様を中心に見ることができます。法曹の仕事をある程度知らないと正直つまらない内容になるかもしれませんが、それぞれの立場ややるべき仕事を少しでも知っていると、検察官内の人間の葛藤や摩擦が本書からはよく見えてくるもので非常にイメージしやすいものでした。特に、ナリ検という弁護士から検察官になった中々ない立場からの視点で見るからこそ、通常とは異なる感覚で読むことができました。なぜ?と思う部分や理解できない部分も多いものの、そこがむしろリアルに描かれており、実際の検察官の思考が考えることができるような一冊でした。この本で検察官志望の方にどのような理想と現実があるのか、リアルな話として語ることができると思います。

【この本のあらすじ】100文字程度

どのような人が検察官に向いているか、検察官志望の受講生と話をする機会などがある方にはぜひ読んでほしい一冊です。弁護士とは違う考え方があり、将来どのような法曹になりたいか、その人の感覚を知るために参考になります。